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1Dayインプラント(ワンデイインプラント)は、検査からインプラント体の埋入、仮歯の装着までを実質1日で完結させる治療プロトコルです。歯のない期間をほぼ作らずに済むため、忙しい方や遠方から通院する方からも注目されています。本記事では、1Dayインプラントの仕組みや通常治療との違い、メリットとデメリット、適応条件、当日の流れ、費用相場、医院選びの着眼点までを整理して解説します。即時荷重インプラントや抜歯即時インプラントとの違いについても整理し、治療を検討するうえで知っておきたい情報をまとめました。
1Dayインプラントの主な特徴は、従来は数か月から数年かかっていたインプラント治療を、1日(約8時間程度)で基本工程まで完結させる点にあります。ここでは具体的な定義、通常のインプラント治療との違い、通院の流れを順に整理します。
1Dayインプラント(ワンデイインプラント)とは、インプラント体の埋入手術と仮歯の装着までを同日のうちにおこなう治療プロトコルの総称です。手術時間に休憩を挟みながら、検査・診断結果に基づく埋入、仮歯の作製・調整、装着までを一連の流れで進めます。基本的に部分欠損から全歯欠損まで対応可能とされており、全顎欠損のケースでも下顎では3本、上顎では3〜6本のインプラント埋入で多くの歯を支える設計が可能です。これにより、従来法と比較して埋入本数自体を抑えられる点も特徴のひとつとなっています。
通常のインプラント治療では、インプラント体を埋入したのち、顎の骨と結合(オッセオインテグレーション)するまで3〜6か月の治癒期間を置いてから上部構造を装着します。この期間中は、欠損部に何も入らない期間が生じるか、取り外しの仮義歯で過ごすことになるのが一般的です。一方の1Dayインプラントでは、初期固定が良好であることを前提に、埋入直後に仮歯を装着するため、歯のない期間がほぼ生じません。最終的な上部構造への置き換えは、骨との結合が確認できる数か月後におこなわれますが、見た目と仮の咀嚼機能はその日のうちに回復します。
1Dayインプラントは「1日で終わる」と表現されますが、実際の通院回数は計2回が標準です。1回目はカウンセリングと精密検査の日に充てられ、歯科用CT撮影や口腔内スキャナーによる診断、治療計画の立案がおこなわれます。検査結果に問題がなければ、後日設定する2回目の来院日に、埋入手術から仮歯の装着まで一日で進めます。この一連の流れにより、初診から最短2回の来院で噛める状態まで回復できる点が、通常のインプラント治療と大きく異なる部分です。
参照元:公益社団法人 日本口腔インプラント学会(https://www.shika-implant.org/)
「1Dayインプラント」「即時荷重インプラント」「抜歯即時インプラント」は、いずれも治療期間の短縮をめざす治療法ですが、それぞれが指す内容は異なります。混同されやすいため、3つの治療法の違いを整理しておくと検討の際に役立ちます。
即時荷重インプラントとは、インプラント体を顎の骨に埋入したその日に、仮歯(仮の上部構造)を装着して荷重をかけられる状態にする治療法を指します。通常は埋入から数か月の治癒期間を経て上部構造を装着しますが、初期固定が十分に得られた症例では、待機期間を置かずに仮歯を機能させることが可能です。つまり、即時荷重は「埋入後の補綴のタイミング」を早める技法に位置づけられます。詳細な適応条件や費用については、即時荷重インプラントとは?適応条件と費用を解説のページもあわせてご参照ください。
抜歯即時インプラント(抜歯即時埋入)は、抜歯後の傷の治癒を待たずに、抜歯した穴(抜歯窩)を利用してその日のうちにインプラント体を埋入する外科手術の手法です。従来は抜歯から3〜4か月待って治癒を確認したうえで埋入する流れが一般的でしたが、抜歯部位の組織が治ろうとする反応を活かすことで、骨吸収を抑えながら治療期間を短縮できる可能性があると考えられています。こちらは「埋入手術のタイミング」を早める技法です。詳しくは抜歯即時インプラントの仕組みと検討前に知っておきたい要点のページで解説しています。
1Dayインプラントは、抜歯即時インプラントと即時荷重インプラントを組み合わせ、さらに事前のデジタル設計や2回通院での完結まで含めた、1日で噛める状態に到達する全体プロトコルとして位置づけられます。要素技術それぞれを使うかどうかは、症例ごとの骨の状態や残存歯の状況によって調整されます。3つの治療法は対立するものではなく、1Dayインプラントを大枠として、その中に即時荷重・抜歯即時という個別技法が組み込まれていると整理すると分かりやすいでしょう。
参照元:公益社団法人 日本口腔外科学会(https://www.jsoms.or.jp/)
ワンデイインプラントには、治療期間や通院回数の短縮にとどまらない複数のメリットがあります。仕事や生活への影響を抑えたい方にとって、検討する価値のある選択肢といえる理由を整理します。
代表的なメリットは、治療開始から仮歯装着までが実質1日で完結し、歯のない期間がほぼ生じない点です。通常のインプラント治療では、埋入から上部構造装着までの間、見た目や発音、食事に何らかの影響が生じやすく、心理的負担を感じる方も少なくありません。1Dayインプラントなら、手術当日に仮歯が入るため、外出や人前での会話の不自由がほとんどなく、その日のうちに自分の歯のような感覚で軽く噛むこともできます。前歯のように見た目への影響が大きい部位を治療する際には、検討の動機になりやすい点といえます。
通常のインプラント治療では、検査・埋入手術・上部構造装着・経過観察と、複数回の通院が必要になります。1Dayインプラントでは、初診と手術日の計2回の通院で基本的な治療工程を終えられるため、仕事や家事を理由に通院日程を調整しにくい方にも合わせやすい点が特徴です。さらに、フラップレス(無切開)法が選択できる症例では、歯肉の切開を最小限に抑えられるため、術後の腫れや痛みが軽減されやすいとの報告もあります。手術回数が1回で済むケースが多いことも、身体的負担を抑える要因のひとつです。
1Dayインプラントでは、全歯欠損のケースでも下顎で3本、上顎で3〜6本のインプラントで上部構造を支える設計が一般的です。従来法では片顎で8〜10本程度の埋入が必要になる場合があるのに対し、本数が抑えられるため、手術にともなう身体的負担と費用の合計を抑えやすくなります。また、インプラント体を骨の硬い部位に角度をつけて埋入する設計を取ることで、骨量が不足している部位でも骨造成を最小限にできる場合があります。総入れ歯から固定式の歯への切り替えを検討している方にとっては、現実的な選択肢となり得ます。
参照元:公益社団法人 日本歯科医師会(https://www.jda.or.jp/)
ワンデイインプラントにはメリットがある一方で、把握しておくべきデメリットやリスクも存在します。検討段階で正確に理解しておくことが、後悔しない治療選択につながります。
1Dayインプラントは、1日で多くの工程を進める治療です。手術当日は、麻酔・埋入手術・休憩・型取り・仮歯の作製・装着・噛み合わせ調整までを通しておこなうため、手術時間そのものに加えて待機時間も含めると、来院から帰宅まで約8時間を見ておく必要があります。途中の外出や自由な飲食は基本的にできません。長時間の処置に不安を感じる方には、麻酔科医立ち会いのもとで静脈内鎮静法を併用し、うとうとした状態で過ごせるようにする選択肢を用意している医院もあります。
即時荷重を伴う1Dayインプラントは、埋入と同時に仮歯で噛める状態にするため、骨とインプラントが強固に結合する前の期間に過剰な力が加わると、結合不全につながるリスクが通常法よりやや高まる傾向があります。喫煙習慣や歯ぎしり・食いしばりがある方は、結合への悪影響が懸念されるため、慎重な判断が求められます。また、仮歯はあくまで仮の状態のため、煎餅や硬いパン、粘着性の強いガムやキャラメルなどは避け、最終的な上部構造に置き換わるまでは柔らかめの食事を中心にする必要があります。
1Dayインプラントは、通常のインプラント以上に精密な診断と高い手術技術、そして十分な設備が求められます。歯科用CTや口腔内スキャナー、コンピュータ上での埋入シミュレーション、滅菌された手術環境、麻酔管理体制など、必要な要件が多岐にわたるため、すべての歯科医院で対応しているわけではありません。また、症例数を積み重ねた歯科医師でなければ判断が難しい局面もあるため、自宅近くで対応医院を見つけにくい場合もあります。検討段階で、対応の可否や治療実績を事前に確認しておくことが大切です。
参照元:厚生労働省 e-ヘルスネット(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/)
1Dayインプラントは、希望すれば誰でも受けられる治療ではありません。適応の可否は骨の状態や全身状態、生活習慣など複数の要素から総合的に判断されます。検討前に基本条件を押さえておきましょう。
適応の判断で重視されるのは、まず顎の骨の量と質です。インプラント体を支えるだけの十分な骨の厚みと高さがあり、骨密度が一定以上に確保されていることが求められます。骨密度はD1〜D4で表され、硬めのD1〜D3は1Dayインプラントの適応となりやすい一方、柔らかいD4は慎重な判断が必要とされます。次に、埋入直後に仮歯を支えるための初期固定が確実に得られるかどうかも重要です。さらに、口腔内が清潔に保たれていること、噛み合わせのバランスが安定していること、定期メンテナンスに通える体制があることも条件として挙げられます。
重度の歯周病が進行しており、感染が残ったまま埋入すると治癒や結合に支障が出ると判断されるケースは、まず歯周病の治療を優先する必要があります。骨量が大きく不足しており、骨造成だけでは安定した埋入位置を確保できない場合や、コントロールされていない糖尿病、骨粗しょう症で骨代謝に大きな影響がある場合、放射線治療歴がある場合なども慎重な検討が必要です。また、強い歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方、喫煙本数が多い方は、結合不全のリスクが高まる傾向があるため、適応とならないこともあります。
適応の最終判断には、歯科用CTによる三次元的な骨の評価が欠かせません。CT画像をもとに、コンピュータ上で骨密度の高い部位を特定し、神経や血管の位置を避けながら埋入方向を設計します。1Dayインプラントでは、この事前シミュレーションの精度がそのまま治療結果に影響するため、設備の整った医院でしっかりとした検査を受けることが前提となります。問診や視診だけで判断できる治療ではない点を、検討段階から押さえておくと安心です。
参照元:公益社団法人 日本口腔インプラント学会(https://www.shika-implant.org/)
実際に1Dayインプラントを受ける際の流れと、気になる費用の目安を整理します。手術当日に何が起きるのかを把握しておくと、不安を抑えて当日を迎えやすくなります。
初診ではカウンセリングと精密検査がおこなわれ、現状の口腔内、欠損部位、噛み合わせ、全身状態などを総合的に確認します。歯科用CT撮影や口腔内スキャナーによるデータ採得を経て、コンピュータ上でインプラントの埋入位置・角度・本数の設計、仮歯の形態設計までを進めます。この設計データに基づいて手術当日のシミュレーションをおこない、適応と判断されれば手術日が予約されます。手術日までに、感染症や持病の管理、必要に応じた服薬調整など、当日に向けた準備が指示される流れが一般的です。
手術当日は、まず体調確認と最終的な治療内容の説明から始まります。麻酔(局所麻酔および必要に応じた静脈内鎮静法)の後、設計データに沿ってインプラント体を埋入します。1本あたりの埋入処置自体は10〜20分程度で進むケースもありますが、複数本の埋入や骨造成を併用する場合はさらに時間が必要です。埋入後は休憩室で休みながら、その間に歯科技工士が仮歯を作製・調整します。最後に仮歯を装着し、噛み合わせを微調整して終了です。来院から帰宅まで、合計でおよそ8時間前後を見ておくと安心です。
インプラント治療は自由診療のため、医院によって価格設定が異なりますが、一般的なインプラント1本あたりの費用相場は30万〜50万円程度とされています。1Dayインプラントもこの相場帯に含まれることが多く、CT検査料、手術料、上部構造、術後メンテナンスを含めて提示されるケースが目安です。全顎ケースでは、片顎の固定式上部構造をオールオン4などの設計で支える場合、片顎200万〜300万円前後、上下で400万〜600万円程度が一例として挙げられます。骨造成や静脈内鎮静法の併用で追加費用が発生することもあるため、契約前に総額の見積もりを必ず確認しましょう。
参照元:公益社団法人 日本歯科医師会(https://www.jda.or.jp/)
1Dayインプラントは医院ごとに対応範囲や経験値に差があるため、医院選びの段階での見極めが治療結果を左右します。ここでは、検討時にチェックしておきたい着眼点を3つに絞って紹介します。
インプラント治療全般の症例数に加え、1Dayインプラントや即時荷重を実際に手がけた症例があるかは確認しておきたいポイントです。日本口腔インプラント学会の専修医・専門医・指導医など、厚生労働省が広告可能と認めている専門医資格の有無は、知識と経験を客観的に判断する材料になります。カウンセリング時に症例写真や治療実績を確認できると、判断材料が増えます。
1Dayインプラントは精密診断と衛生管理が前提となる治療です。歯科用CT、口腔内スキャナー、専用のオペ室、滅菌設備が整っているか、麻酔科医や静脈内鎮静法に対応できる体制があるかをホームページやカウンセリングで確認しましょう。設備の有無は治療の安全性に直結するため、初診時に積極的に質問しても問題ありません。
治療後の長期的な経過を支えるのは定期メンテナンスです。メンテナンス間隔や費用、保証制度が明示されているか、初診から最終補綴までの総額が見積もりとして提示されるかも、安心して任せられる医院を見極める重要な観点となります。後から追加費用が発生しにくいよう、契約前に内訳を確認することをおすすめします。
参照元:公益社団法人 日本歯科医師会(https://www.jda.or.jp/)
最後に、1Dayインプラントの検討段階で寄せられやすい質問をまとめました。判断材料として参考にしてください。
原則として1本のみの欠損でも適応の検討は可能ですが、1本のケースでは従来法との治療期間の差が比較的小さいため、必ずしも1Dayにこだわる必要はありません。1Dayインプラントの強みは、複数本から全顎欠損のケースで通院期間と本数を抑えられる点にあります。歯科医師と治療の目的や優先順位を整理したうえで、適した術式を選びましょう。
1本あたりの費用は通常のインプラントと同じ相場帯(30〜50万円程度)に収まるケースが多い一方、1Dayインプラントでは精密な事前設計や手術当日の仮歯作製コストが含まれる分、医院によっては割高になることもあります。ただし、全顎欠損では埋入本数自体を抑えられる設計が可能なため、総額では従来法より下げられるケースも少なくありません。
インプラント体と顎の骨の結合状況にもよりますが、3〜6か月後を目安に最終的な上部構造(人工歯)へ置き換えるのが一般的です。この期間は仮歯で生活しながら定期的に経過を確認し、結合が確認できた段階で型取りと装着がおこなわれます。最終補綴に切り替わるまではあくまで仮の状態である点を意識した生活が必要です。
あります。手術中に骨質や初期固定の状態を確認した結果、即時荷重に必要な条件を満たさないと判断された場合は、仮歯装着を見送り、通常法へ切り替える判断がとられることがあります。これは安全性を優先するための対応であり、決して失敗ではありません。事前に切り替え時の対応や追加費用の有無について説明を受けておくと安心です。
対応可能なケースが多くあります。全顎欠損では、下顎で3本、上顎で3〜6本のインプラントで上部構造を支える設計が一般的で、オールオン4などの方式と組み合わせて1日で固定式の歯を装着するプロトコルがとられます。骨量や全身状態によっては適応外となる場合もあるため、事前の歯科用CT検査と総合的な診断のうえで判断する必要があります。
参照元:公益社団法人 日本口腔インプラント学会(https://www.shika-implant.org/)
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