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インプラント治療を検討している場合には、治療後のメンテナンスについて知っておくことも大切です。厚生労働省の「歯科インプラント治療指針」においても、治療終了後の「メンテナンス(支持療法)」はインプラントを長期的に維持するために不可欠なプロセスであると位置づけられています。
こちらの記事では、歯科医院でのメンテナンスとセルフケアについて解説しています。それぞれどのようなケアを行っていくのかまとめ、なぜセルフケアだけでは不十分なのかも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
※参照:【PDF】厚生労働省「歯科インプラント治療指針」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-01.pdf
インプラント治療を行った後は、日常的なセルフケアが大事であることはいうまでもありません。しかしそれだけではなく、定期的に歯科医院を受診し、プロの手によるメンテナンスを受ける必要があります。歯科医院で行うメンテナンスは単に歯を磨くだけではなく、インプラントを長期間にわたり使用できるように総合的なケアが行われます。
インプラントのメンテナンスにあたり、歯科医院ではさまざまなことが行われています。ここでは、どのようなケアが行われているのかを解説していきます。
インプラントに問題が発生していないかという点や、他の歯が虫歯になっていないか、歯周病の有無などを確認します。加えて、インプラントの上部構造の状態、かみあわせなども確認していきます。また、レントゲンを撮影し、インプラント体を埋入している顎の骨の状態や、残っている歯の根本といったようにさまざまな部分について確認を行います。
自宅で日常的に行っている歯磨きの際に、磨き残ししやすい部分の確認を行い、しっかりと磨くためのブラッシング方法の指導も行われます。その他、フロスやデンタルリンスなどのアイテムの使い方など、自分でできる口腔内のケア方法についてのアドバイスも行われています。
バイオフィルムと呼ばれる生物膜は、細菌が生成した物質に覆われており、細菌繁殖するのに適した湿度を保っています。細菌にとって住み心地に優れているものであり、口腔内にもバイオフィルムは作られています。歯にできたバイオフィルムは、歯磨きやセルフケアでは取れません。
バイオフィルムがインプラントの周囲に蓄積してしまうと炎症を引き起こし、場合によってはインプラント撤去を行わなければならなくなります。PMTCという特別なクリーニングを歯科で実施し、歯石ができる前段階のバイオフィルムの除去をする必要があります。
※参照:日本大学歯学部病院公式HP
https://dentalhospital-nusd.jp/department/implant.html
※参照:昭和医科大学歯科病院公式HP
https://www.showa-u.ac.jp/SUHD/department/list/implant/
日本口腔インプラント学会および日本歯周病学会の見解によると、一般的なお口の状態であれば「4〜6ヶ月に1回」が目安です。ただし、個人のプラークコントロールの状態やインプラント周囲炎のリスクなどによっては、「1〜3ヶ月に1回」など、より短い間隔で行う必要があります。
厚生労働省の資料によると、適切なメンテナンスを継続することで、10〜15年という長期にわたる累積生存率(インプラントが維持されている確率)は、上顎で約90%、下顎で約94%という高い水準になっています。
また一般的なインプラントの定期メンテナンスの費用は、1回あたり5,000〜1万円が目安ですが、こちらもメンテナンス内容や歯科医院によって異なるため、あらかじめ確認しておくことがおすすめです。
※参照:【PDF】日本口腔インプラント学会・日本歯周病学会インプラントのメインテナンスに関する学会見解
https://www.shika-implant.org/shika/wp-content/uploads/2024/03/opinion_201805.pdf
※参照:【PDF】厚生労働省「歯科インプラント治療のための Q&A」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/shika_hoken_jouhou/dl/01-02.pdf
インプラントのメンテナンスには、セルフケアも重要です。ここではどのようなセルフケア方法があるのかをご紹介します。
セルフケアの基本は、歯ブラシを用いた日常的なブラッシングが重要となっています。日本口腔インプラント学会では、インプラントには「天然の歯以上に入念なお手入れが必要」と定めています。
通常の歯ブラシを用いて自分の歯と同じように磨きましょう。歯ブラシは細かく動かしながら、歯肉との境目をとりわけよく磨くようにしてください。
電動歯ブラシを用いても効果的にクリーニングを行えるうえ、通常の歯ブラシより短時間でケアできます。電動歯ブラシを用いる場合は、信頼できるメーカーのものを正しい使い方で使用しましょう。
電動歯ブラシを用いる場合は、通常歯磨剤は必要ありません。また、歯科によっては研磨剤が歯茎とインプラントの隙間に入り込み炎症を起こしてしまう可能性があるため、使用を控えるよう言われることもあるので、確認するようにしましょう。
※参照:日本口腔インプラント学会「インプラントのお手入れ」
https://www.shika-implant.org/min-implant/care/
フロスを使用することによって、ブラッシングでは落としにくい汚れをケアできます。歯間ブラシやデンタルフロスを使用して、歯とインプラントの合間、インプラント同士の間の部分についてもしっかりと磨きましょう。
隙間が小さい部分にはデンタルフロス、隙間の大きなところには歯間ブラシと使い分けるのが効果的です。
※参照:日本口腔インプラント学会「インプラントのお手入れ」
https://www.shika-implant.org/min-implant/care/
デンタルリンス(液体歯磨き粉)やマウスウォッシュは、さまざまな製品が販売されています。その中には、口腔内の細菌の働きを抑えて、プラークをつきにくくする作用のものもありますので、就寝前などに使用してインプラント周囲炎の対策を行っていくのもおすすめです。
ちなみに、デンタルリンスは歯磨き前に用いて、その後にブラッシングを行うという流れで使用します。さまざまな製品があり、成分も異なるため、自分にはどの製品が合っているのかを歯科医師や歯科衛生士に相談してみてください。
口腔内に形成されたバイオフィルムがインプラントの周囲に蓄積してしまうと、炎症を引き起こすリスクがあります。セルフケアや定期検診などのメンテナンスを怠ってしまうことで、インプラント周囲炎などにつながってしまう可能性もありますので、ケアをしっかりと行う必要があります。
厚生労働省や専門学会などのいずれのサイトにおいて、共通して述べられているのは、「毎日の丁寧なセルフケア」と「歯科医院でのプロフェッショナルケア」の2つを両立させていくことです。専門医による定期検診を受け、メンテナンスを継続していくことが大切です。
インプラント治療後に良好な状態を保つためには、日々のセルフケアで正しいブラッシングをする必要があります。ブラッシングが正しく行えているか心配な場合は、かかりつけの歯科で相談するのが望ましいです。
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