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人が生まれ持っている天然歯。人生で一度だけ生え変わり、永久歯になると、一度失ったら元には戻りません。その代わりともなり得るものが、人工歯根であるインプラントです。「自分の歯のように使える」と言われるインプラントですが、天然歯とは大きな違いがあります。どのような違いがあるか、詳しく解説していきます。
天然歯とは、生まれ持った自分の歯のことです。歯は、口腔内に露出している「歯冠(しかん)」とその下にある「歯根(しこん)」に分けられます。
また、歯はただ骨に直接ついているわけではありません。歯根の表面にはセメント質があり、その周囲を「歯根膜(しこんまく)」という線維性の組織が取り囲み、さらに顎の骨である「歯槽骨(しそうこつ)」が支えています。表面は「歯肉(しにく)」で覆われており、これらをまとめて歯周組織と呼び、これにより歯が口腔内で生えた状態が保たれます。
歯は多層構造になっています。一番外側はエナメル質と言って、人体で最も硬い部分です。この組織は歯冠部のみに存在します。歯冠部の内側には象牙質があり、その内側には歯髄があります。歯根部の表面にはエナメル質はなく、セメント質という組織があり、歯根膜によって歯槽骨と結合しています。
天然歯は生体組織ですから、歯髄に血液や神経があり、代謝をして痛覚や温度などを感じています。さらに、歯根部で歯槽骨と結合している歯根膜にも血管や神経があります。噛むときにはクッションの役割をして、同時に「噛み心地」といった感覚を脳に伝えています。また、細菌などが侵入してきたときには免疫反応も担っています。
インプラントとは、人工歯根のことです。主にチタンという金属を使用しており、このインプラント体を顎骨に埋入すると、チタンと顎骨がオッセオインテグレーションという生きた骨とインプラント表面との直接的・機能的な結合を起こします。この現象は金属の中ではチタンで最も広く実用化されています。このオッセオインテグレーションにより、インプラントはほかの義歯には見られないほど、しっかりとした固定が得られるのです。
インプラントは主に3つの構造でできています。天然歯の歯冠に当たる人工歯と顎骨に埋入されたインプラント体、そして2つをつなぐアバットメントという部品です(1ピースインプラントではアバットメントが一体になっています)。
インプラントは、前述のようにオッセオインテグレーションによって強固に固定されています。そのため、ほかの義歯と比べて強く噛めるのが特徴です。また、適切な診断と治療計画のもとでおこない、治療後も定期的なメインテナンスを続けることで、10年以上機能する例も多く報告されています。
天然歯とインプラントの大きな違いは、歯根膜が無いことです。歯根膜は歯でものを噛むときのクッションになっているため、歯根膜のないインプラントは噛む感覚が直接骨に伝わります。人によって感じ方は異なりますが、噛んだときの感覚は天然歯ほど繊細ではありません。
また、天然歯のような温度の感じ方はしにくく、気にならない人もいるかも知れませんが、「インプラントは自分の歯のよう」と感じられない人もいるようです。
そして、歯根膜のもう一つの役割である、免疫系の惹起についてもインプラントにはない特徴です。歯周病菌が侵入してインプラント周囲炎になっても自覚症状が少ないまま進行することがあります。天然歯とは周囲組織の構造が異なるため、注意深い管理が必要です。免疫が働かないために進行が早くなってしまいます。
このようにインプラントと天然歯は、大きな違いがあることを理解しておいてください。
愛知県内の病院歯科口腔外科を経て、一般歯科診療に加え、自費診療やインプラント治療にも幅広く携わる。 また、訪問歯科診療や僻地医療にも関わり、地域や生活背景に応じた歯科医療の実践を重ねてきた。 日本歯科医師会認定産業歯科医、労働衛生コンサルタント(国家資格)取得後は、産業保健の分野にも携わり、口腔と全身の健康を踏まえた幅広い視点から歯科医療に取り組んでいる。 現在は岐阜県土岐市のナルセ歯科クリニック院長として、地域に根ざした歯科医療に従事する傍ら、歯科・口腔保健に関する記事監修もおこなっている。
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