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インプラント治療を検討する方の多くが不安に感じるのが、手術にともなう痛みです。実際には麻酔や術式の工夫により、手術中の痛みはほとんど感じない状態で施術できるのが一般的です。本記事ではインプラント手術の痛みの程度、痛みを和らげる麻酔の選択肢、術後の痛みの目安と過ごし方、長期的に痛みが出るときの原因、痛みに配慮した医院選びの観点までを整理して解説します。
「顎の骨に穴を開けるため強い痛みがあるのでは」と心配される方は少なくありません。結論からお伝えすると、麻酔が効いた状態で手術を進めるため、術中に強い痛みを感じることはほとんどないとされています。
インプラント手術にともなう痛みは、手術中・術後数日・長期経過後の3つの時期に分けて整理するとイメージしやすくなります。手術中は麻酔の作用で痛覚が遮断されており、患者さんが感じるのは器具による圧迫感や振動程度です。手術後は麻酔が切れる数時間後から鈍い痛みが出ますが、処方される鎮痛剤で対応できる範囲が一般的とされています。
他の歯科治療と比較すると、一般的な歯の抜歯と同程度、または親知らずの抜歯と比べてやや軽いとされることが多くあります。抜歯では歯を引き抜く際の圧力や術後の腫れが大きく出ることがありますが、インプラント手術は丁寧に進められるため、術中の負担感は想像より大きくないのが実情です。
なお、インプラント治療は公的医療保険の適用外となる自由診療です。費用は1本あたり30万〜50万円程度が目安とされ、症例や医院の料金体系で変動します。治療期間は3〜10か月程度が目安で、主なリスク・副作用としては術後の腫れ・出血・感染、まれに神経損傷の可能性などがあります。詳細はカウンセリング時に担当医からの説明を確認することが推奨されます。
参照元:公益社団法人 日本口腔インプラント学会(https://www.shika-implant.org/)
現在のインプラント治療では、患者さんの不安や痛みを軽減するため、麻酔と鎮静の選択肢が複数用意されています。代表的な3つの方法を整理します。
インプラント手術で標準的に使われるのが、局所麻酔です。歯科治療で広く使われている麻酔と同じ仕組みで、注射した部位の痛覚を一時的に遮断します。
注射針が刺さるときのチクッとした痛みが苦手な方には、注射前に歯ぐきの表面に塗る表面麻酔も併用されます。麻酔薬を含むジェルやスプレーで表面の感覚を鈍らせてから注射針を入れるため、針の痛みも気になりにくくなります。さらに、極細針や注射時の液量を一定に保つ電動麻酔器を導入する歯科医院もあり、麻酔そのものの不快感を抑える工夫が広がっています。
局所麻酔は痛みを遮断するものですが、手術中の意識ははっきりしたままです。骨を削る音や歯科医師の会話が耳に入ることで緊張感が強まり、血圧や脈拍が上昇することもあります。
そうしたストレスを軽減するために用いられるのが、静脈内鎮静法です。腕の静脈から鎮静剤を点滴で投与し、うとうとした状態で手術を受けられるよう導く方法です。意識が完全に消える全身麻酔とは異なり、呼びかけに反応できる程度の鎮静ですが、手術中の精神的な負担を抑えやすい選択肢として広く採用されています。歯科麻酔の知識を持つ医師の管理下で行われるため、安全性に配慮しながら受けられます。
手術そのものの侵襲を抑える術式を選ぶことも、痛みの軽減につながります。歯ぐきを切開・縫合する範囲を最小限にとどめる方法や、ドリルでの骨削合をできるだけ少なくする術式などがあります。
これらは適応条件があり、骨の量や厚みが十分であること、神経・血管との位置関係などをCT画像で精密に確認したうえで選択されます。すべての症例で適応となるわけではないため、自分の状態で選べる術式かどうかは事前のカウンセリングで確認することが大切です。
参照元:公益社団法人 日本歯科麻酔学会(https://www.kokuhoken.or.jp/jdsa/)
ここからは、手術後の痛みについて時間軸に沿って整理します。痛みの強さや継続期間の目安を知っておくと、術後の生活設計がしやすくなります。
手術後は麻酔が切れる数時間後から痛みが出始めます。痛みの強さは抜歯後と同程度から、それよりやや強い程度が目安とされ、歯科医院から処方される鎮痛剤で対応できる範囲が一般的です。
鎮痛剤は痛みを強く感じてから飲むよりも、麻酔が切れる前のタイミングで服用したほうが効きやすい傾向があります。歯科医師から具体的な服用指示を受け、自己判断で中断しないことが快適に過ごすコツです。
術後の痛みのピークは手術当日から翌日にかけてで、その後2〜3日かけて徐々に和らいでいきます。多くの症例で1週間ほどには鎮痛剤を使わずに過ごせる状態まで回復し、強い痛みは消失するとされています。
腫れや内出血が同時に起こることもありますが、これも1週間程度で目立たなくなるのが一般的です。痛みが10日以上続く、または日を追って強くなる場合は感染などの可能性があるため、早めに歯科医院へ連絡することが推奨されます。
術後1〜2週間ほどで、歯ぐきを縫った糸を取り除く抜糸が行われます。糸を抜くだけの処置とはいえ、傷口の状態によっては敏感に感じることがあるため、必要に応じて麻酔が使われることもあります。
抜糸そのものは数分で終わる短時間の処置で、強い痛みを感じることは多くありません。
参照元:公益社団法人 日本口腔インプラント学会(https://www.shika-implant.org/)
インプラント治療のなかでも、追加の処置をともなう場合や治療規模が大きい場合は、術後の痛みがやや強く出る傾向があります。事前に把握しておきたい2つのケースを紹介します。
インプラント体を埋入する部位の骨の量が不足している場合、骨を増やす骨造成という処置を併用することがあります。骨造成は人工骨や自家骨を用いて骨を補う処置で、上顎の奥歯部分で行われるサイナスリフトもこの一種です。
これらの処置をともなうと手術範囲が広がり、術後の腫れや痛みも単独埋入より強く出る傾向があります。とはいえ、痛みは鎮痛剤でコントロールできる範囲が一般的とされています。
複数の歯を同時に治療する場合、1本だけ埋入する場合と比べて術後の痛みや腫れがやや強くなることがあります。手術範囲が広いほど周囲組織への負担も増えるためです。
複数本の埋入では、静脈内鎮静法と組み合わせて1回の手術で済ませる方針が取られることも多く、患者さんの身体的・時間的な負担を軽くする工夫が行われています。
参照元:公益社団法人 日本口腔インプラント学会(https://www.shika-implant.org/)
術後の過ごし方は、痛みや腫れの程度に大きく影響します。歯科医院から指導される一般的な注意点を5つにまとめます。
特に喫煙はニコチンによる血管収縮で歯ぐきへの血流が悪化し、傷の治りを妨げる要因となります。手術前後の禁煙は、術後の痛みや感染リスクを抑えるうえで有効とされています。
食事は手術当日は柔らかいものを中心にし、麻酔が完全に切れてから摂るようにします。熱すぎる飲食物や香辛料の強いものは患部を刺激するため、術後数日は避けるのが安全です。反対側の歯で噛むようにすると、患部に直接負担がかかりにくくなります。
歯磨きは手術当日は患部を避け、翌日以降は処方された洗口液や柔らかい歯ブラシを使って慎重に清掃します。清潔を保つことが、痛みや感染の予防につながります。
参照元:厚生労働省 e-ヘルスネット(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/)
治療直後ではなく、数年経過してからインプラントの周囲に痛みを感じるケースもあります。早期発見・早期対応が重要な3つの原因を整理します。
インプラント周囲炎は、歯周病と類似した炎症がインプラントの周囲組織で起こる状態です。歯垢や歯石が原因で歯ぐきが腫れ、進行するとインプラントを支える骨が溶けていきます。
初期は痛みを感じにくく自覚しづらいため、定期メンテナンスでの早期発見が重要です。痛みや腫れを感じる頃には進行していることが多いとされるため、違和感があれば早めに歯科医院を受診することが推奨されます。
インプラントを長く使ううちに、自然の歯やインプラント周辺の歯が動いて噛み合わせが変化することがあります。インプラントは自然の歯のように動かないため、噛み合わせがずれると一部に強い力がかかり、痛みや違和感の原因となります。
定期的な噛み合わせのチェックと、必要に応じた調整で予防がしやすくなる症状です。
下顎の奥歯部分など神経や血管が近い部位にインプラントを埋入した場合、まれに神経への圧迫や損傷が原因で痛みやしびれが出ることがあります。
事前のCT検査で神経の位置を立体的に把握し、サージカルガイドを用いて精密に埋入することで、こうしたリスクは抑えやすくなります。術後にしびれや異常な痛みが続く場合は、すぐに担当の歯科医院に相談することが大切です。
参照元:特定非営利活動法人 日本歯周病学会(https://www.perio.jp/)
同じインプラント治療でも、医院の設備や体制によって痛みへの配慮は変わってきます。検討時にチェックしたい3つの観点を整理します。
これらに加えて、メリットだけでなくリスクや費用、適応外となるケースまで丁寧に説明してもらえるかどうかも判断材料となります。納得できるまで質問できる雰囲気があり、術後のメンテナンス体制まで明確に提示してくれる医院を選ぶと安心です。
参照元:公益社団法人 日本歯科医師会(https://www.jda.or.jp/)
最後に、インプラントの痛みに関してよく寄せられる質問を整理します。
術後1週間を過ぎても痛みが治まらない、痛みが日を追って強くなる、患部に強い腫れや膿が見られる場合は、感染などの可能性があるため早めに担当の歯科医院に連絡することが推奨されます。自己判断で様子を見続けるよりも、早めの相談が安心です。
局所麻酔に加えて静脈内鎮静法を利用することで、リラックスした状態で手術を受けることが可能です。痛みや手術への不安が強い方は、カウンセリングの段階でその旨を相談しておくと、状態に合った麻酔の選択肢を提案してもらえます。
注射針を刺すときのチクッとした感覚はありますが、事前に表面麻酔を併用すれば針の痛みは気になりにくくなります。極細針や電動麻酔器を導入する歯科医院もあり、麻酔時の不快感への対応も進んでいます。
参照元:公益社団法人 日本口腔インプラント学会(https://www.shika-implant.org/)
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